からだの豆知識|大脳辺縁系

人間に人間らしさを付与するのは大脳辺縁系である。人間らしさとは、愛すること、笑うこと、泣くこと、記憶することが出来るということである。

大脳辺縁系は、脳の中で私達の情動や行動を調節しているシステムであり、視床下部・海馬・扁桃体という3つの主要部位から構成されている。ほかにも、いくつかの脳の部位が大脳辺縁系と関連している。たとえば様々なにおいの関連性を記憶する領域などである。

これらの部位は神経経路ネットワークによって相互に接続している。ネットワークを形成して、複雑な情動を生み出し、私達を取り囲む世界とのつながりを可能にしている。タツノオトシゴのような形をした海馬は、経験を記憶に変換する。海馬が損害を受けたり、機能不全に陥ったりすると、人は長期にわたって記憶を維持することができなくなり、会ったばかりの人の名前をすぐに忘れてしまったりする。

恐怖や性的興奮は、扁桃体によって調節されている。扁桃体は海馬に隣接していて、2つの神経細胞の集まりから成る。

視床下部は脳全体において、とても忙しい部位の一つである。視床下部は飢えと渇きの感覚を調節したり、痛みや喜びに対する反応を処理したりする。笑い転げることを、抑えることができないような感覚をひき起こすのも視床下部であると考えられている。さらに、視床下部は下垂体からホルモンを血流の中に放出することにより、からだの他の部位へ信号を送ることもする。視床下部と下垂体はともに、脳の前部、両眼の間の上方に位置する。

自然に得られる喜びは、生存のための重要な部分であり理由であることから、大脳辺縁系は、知覚的な報酬をもたらすものに対する欲求を生み出す。腹側被蓋領域と呼ばれる脳の部位は、有意義な経験に反応してドーパミンという化学物質を放出する。たとえば仕事がよくできたと褒められたり、アイスクリームを食べたりすると、ドーパミンが放出されて幸福感や満足感が得られる。

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*抗うつ薬には、ドーパミンの「再取り込み」を低下させることによって作用するものがある。これにより、ドーパミンが脳内に長時間残るため、よい状態が長続きする。

*大脳辺縁系に損害を受けた人は、人生を楽しむことが困難になり、ドーパミンを得ようと、薬物やアルコール・過食・ギャンブル依存になることがある。

『からだの教養365』文響社より(一部内容を書き換えています)

でました!大脳辺縁系

アロマテラピーでもカウンセリングでも、とても重要な脳の部分です

簡単にいうと人間の本能を司っています

考えるのは大脳新皮質

現代の生き方では抑圧されている大脳辺縁系

もう少し大脳辺縁系を解き放って活かして生きていくとラクになれるかもしれません

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