精油の皮膚刺激

精油(エッセンシャルオイル)は天然原料100%です

だからと言って 全てのものが『安全』であるわけではありません

危険なものではありませんが 注意が必要な精油もあるのです

『皮膚刺激』について考える機会があったので記事にしてみました

精油に対する『皮膚の反応』は ①刺激 ②感作 ③光毒性 にわけられます。『皮膚反応』は個人差があるので予測は難しいです。

①刺激

『皮膚』の『刺激』とは、皮膚が『第一刺激物』に最初に暴露(触れた)されたときに反応することです。その反応は早く刺激の『強さ』や『濃度』に関係します。触れたら即時に反応が起こります、すぐ赤くなるとかですね。

『刺激』を引き起こす精油の例:ホースラディッシュ、マスタード、シナモン、クローブ精油全般、イランイランなど

②感作

『皮膚アレルギー』に関連する反応です。何かの物質に皮膚が『最初』に暴露(触れた)されたときに生じます。でもこの段階では皮膚症状は全く出ない場合もあるので、感作されたかどうかは判りにくいですね。多くの場合2度目に同じ物質もしくは似た物質に暴露(触れた)したときに免疫細胞が引き起こす炎症反応が起こります。2回目以降からがいわゆる『アレルギー反応』ということになります。精油に対する感作反応は特異的です。それは個人個人で全く違ってくるからです。『感作』はその物質が真皮層のタンパク質と結合した時に生じます。表皮に塗布した段階では反応せず、経皮吸収してから反応がおこるということです。『感作』を引き起こす成分の例としてアルデヒド類(シンナムアルデヒドなど)がよく上げられます。

『皮膚アレルギー』は通常『発疹』としてあらわれる免疫反応で『アレルギー性蕁麻疹』や『蕁麻疹様過敏症』などと呼ばれます。d-リモネン、αーピネン が酸化してヒドロペロキシド類が生成されるのですが、これがアレルギー反応の原因物質なのでは?といわれています。

『感作』に関連する精油例

過敏な人はイランイラン、ゼラニウム、シトロネラ、ジンジャー、パインニードル、ペパーミントにも反応するとの声も

レモン、レモングラス、レモンバーベナ、メリッサなど「レモン様」の香りがするもの

サンダルウッド、ガイヤックウッドなどは バルサム(樹脂の揮発性物質全般)に感作された人は反応を示す

コスタス油(木香油:きがゆ)、エレキャンペーン油(イニュラ)、ローレル葉油、ガーリックなどは実験や報告があります

『皮膚』は巨大な排泄器官です。身体の多くのプロセスで生じた老廃物を毛穴から排出します。もし 他の排泄器官(腎臓・大腸)が本来のように有効に機能しなくなると、湿疹などの皮膚疾患を生じさせることがあります。これは身体が、通常の皮膚の処理能力以上の老廃物を皮膚から排泄しようとするからです。けれど、湿疹等が出たからといって腎臓や大腸に問題があるケースとは限りません、あくまで参考として。

③光毒性

皮膚に塗布されて日光(紫外線)に当たることにより引き起こされる『光感作』の原因物質を持っている精油が存在します。これらの精油を皮膚に使用する際は注意が必要になります。

『光毒性』をもつ化学成分の例:フロクマリン類(ベルガモテン、ベルガプテンなど)

『光毒性』に対して注意する精油例:イチジク葉アブソリュート、バーベナ、タジェット、ベルガモット、クミン、ライム(圧搾)、アンジェリカルート、ルー、オポパナックス、ビターオレンジ(圧搾)、レモン(圧搾)、グレープフルーツ(圧搾)など

私自身は一年中 全身トリートメントに上記に含まれる精油を使用しません。ベルガモットなど香りがどうしても・・・と思う時は 芳香浴として枕元に準備したりします。家族に使いたい、セラピストの方でお客様に使用する際は以下の事も考慮してみてくださいね。

*傷がある、炎症を起こしている場合は、いつもより注意して精油を使用するか改善するまで使用を控える(吸収量が増えるからです)

*必ずアレルギー体質であるか、今までに精油や香水などで炎症を起こしたことがないか確認する

詳しくは下記の記事も参考にしてみてください

『光毒性』についての記事

『ベルガモット精油』についての記事

精油は ”身体に良さそうだし 美しく健康でありたい!”と思うから 使ってみよう!と考えると思うのです。選ぶ時 使う時 専門家のアドバイスを最大限使ってくださいね! そして私達専門家は毎日が勉強で色々な事を吸収し お客様に還元できるようにしなければいけないですね。

【参考文献】「精油の安全性ガイド」著:ロバート・ティスランド/トニー・バラシュ、「アロマテラピー事典」著:パトリシア・デービス

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