ガットフォセのアロマテラピー|【4章】芳香族エーテルの特性 ほか

芳香族エーテルの特性

エーテル類は酸を介して大きく作用するように思える。エステルはてんかん症状に似た痙攣を引き起こす。1kgに対して3gの投与量で心臓機能停止による死が起きる(注:成人がエステル類を多く含む精油を200㎖飲むことに等しい)。ブチレート(酪酸塩)は肺と腎臓から排せつされる。1kgに対して3gの投与量であっても事故につながらない。ベンゾエート(安息香酸塩)は最初に腎臓と肺経由で排せつされる。ラベンダーエッセンスのエステルはリナリルアセテートとリナリルブチレートの混合物だが、ブチレートの反応が出る傾向にある。この混合物の比率ではリナリルブチレートの比率が低いのでリナリルアセテートの反応をマスクしていると言える。

ベンジルベンゾエート(イランイラン、ペルーバルサム、チュベローズの精油に含まれる)には鎮痙作用がある。痙攣性便秘や子宮の疝痛、気管支痙攣、持続性しゃっくりに効果がある。(『Presse medicale』1920年10月)百日咳にも良い。ベンジルベンゾエートが腎臓に影響を与えずに血流を下げる働きがあることから、心臓疾患・狭心症・高血圧を亜硝酸ナトリウムよりも改善する。(ボルティモア市のマフト)

芳香族アルデヒドの特性

アルデヒド類には高い殺菌作用がある。この点からフェノール類にきわめて近い範疇に入れることができるが、フェノールのような刺激性は無い。シンナミックアルデヒドにはオイゲノールと同様の効果がある。痛みに対して用いられると、鎮痛作用を示し、メチルサリシレートやウィンターグリーンエッセンスと同様の結果を生じる。香りが良いわけではない。栽培地の人々は時々痛みに対して使用する。シナモンエッセンスについて、腸チフス菌を12分で死滅させたと記述している(カバネス『Bull.Gen.de ther.』)このような良い結果があるにしても、エッセンスの殺菌特性は研究途上にある。シトラールは、消臭力で知られているが、他の特性も持つ。

芳香族ケトンの特性

ケトン類には毒性があると考えられ、実験でも既存の文献を部分的に確証づけた。ヨモギ族のエッセンスに含まれるケトンには流産を引き起こす作用があると書かれている(レストラ医師『Juniperus phoenica』)。フェンネルエッセンスはフェンコン含有しているため、毒性があるとされる。スターアニスにはアネトールしか含まれないため、フェンネルの代替品として勧められる。キャラウェイエッセンスはカルボンが生じるケトン特有の症状を起こす。ワームウッドエッセンスを含有するアブサン(ハーブ系リキュール)を取り締まる法律は是ゆえに正当化される(フランス産のワームウッドエッセンスにはツヨンが含まれる)。

ケトン類を含むエッセンスに全く利点がないわけではない。ヨモギ族のエッセンスは傷を癒し、疲労を予防し、抗痙攣作用と通経作用を備えている。ヤロウには抗てんかん作用と健胃作用があり、ベルモット(フレーバーワイン)の材料となる。Achillea moschata(ノコギリソウ)は悪寒と不快感に浸剤として利用される。Achillea clavennae(銀色ノコギリソウ)は高山での呼吸を助ける。Achillea ageratum(スイートヤロウ)には去痰作用と健胃作用がある。その他にもAchillea 属のエッセンスは色々存在する。

サボワ地方では、キャラウェイ、コリアンダー、フェンネルには通経作用があると考えられている。

芳香族フェノールの特性

フェノール類は芳香族性殺菌剤の中でも最も強く働く。水溶性が高く、水1ℓ当たり1g溶け、液状石鹸には1ℓ40g溶解する。欠点はわずかだが刺激がある。しかし、石炭から抽出されたフェノール(石炭酸)、あるいはクレゾールよりははるかに弱い。ほかの精油成分が持つ、皮膚細胞成長作用は持たない。そのために、芳香族フェノール類を使用する際には、低い投与量に限る。オイゲノールは歯科手術に優れた結果をもたらすが、クレゾールに置き換えられている。

J.クロケットの報告によると、モルッカ諸島ターナト島でクローブを大量伐採したのち、かつてないほどの疫病に見舞われたとのこと。これはクローブから発散される蒸気に成分が含まれており、それらが空気の浄化に役立っていた証である。

腸内の消毒と駆虫にチモールを用いることはよく知られる。最近ではカルバクロールが好まれるが、理由は刺激性が低いためであり、呼吸器経路を介して排せつされる。カルバクロールを主成分とする擦剤・塗布剤が呼吸器系疾患をラクにさせることは疑いようもない。

フォルグ医師はモロッコやチュニジアの人々を治療する際、安価で効果のある芳香調剤薬、ズイットやザーターを用いた。これはオイルとタイムの混合物である。オリーブオイルに乾燥タイムを浸けた浸剤を使った。

この「成分」に関するわずかな情報からもわかるように、精油の構成成分に注意を払うことが重要なことは明白だ。

『アロマテラピー』ルネ・モーリス・ガットフォセ(フレグランスジャーナル社)より

ここでは精油の成分について考察されています

精油中には多くの成分が含有されていますね

その成分がどのような効能があるかを知ることは本当に重要です

それはその精油をどう使用するかを決定するからですね

でも本文中にも出てくるのですが、全てが同じように作用するわけではないのです

ある成分とある成分が組み合わされると相乗効果が起こったり、相殺される場合もあるのです

私はそういう所が好きでアロマテラピーを続けています

答えがひとつじゃない

面白いですよね

 

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