精油名:ローズアブソリュート
学名:Rosa centifolia
科名:バラ科
産地:トルコ、フランス、ブルガリア、モロッコ など
抽出部位:花
抽出法:揮発性有機溶剤抽出法
【Rosa centifolia】はロサ・ガリカ(Rosa gallica)とロサ・モスカータ(Rosa moschata)の交配種といわれています。フランスのグラースやモロッコで多く生産されています。
精油にするための花は、開花して芳香成分が揮発する直前=早朝に手摘みされます。Rosa centifoliaもRosa gallicaも苗がなかなか手に入らないです~探しても売り切れ中が多いのです。ローズオットーになるRosa damascenaも同じです。それでもバラは色々な品種があり、香りが強いものもたくさんあるのでそれらを育てています♪ 開く前 蕾から1枚2枚開いた時がいい香りがします。鹿児島はバラの咲く5月ごろは気温が高くなっているので、あっという間に開いてしまい、日中は香りが薄くなってしまいます。
精油にするためには多くのバラの花びらが必要になります。よく精油1滴(0.05㎖)抽出するのに1㎏の花びらが必要といわれていますね。採油率が低いので、どうしても価格が高くなります。そして無農薬で育てることが至難の業です。バラには本当によく虫がつきます。私も早朝にそ~っとバラに近寄って『バラゾウムシ』や『チュウレンジハバチ』を捕まえます。農薬をかけないと虫はバンバンやってきます!! 精油にするバラ農園でも、とにかく人の手がかかっていると思います、だから高くなってしまうのですよね!実際にバラを育てている方なら納得だと思います。鉢でも育てられるので是非育ててみることをおススメします!植物を育てる・香りを楽しむ両方を体験できます!!
さて『ローズアブソリュート精油』ですが、ローズオットー精油よりフローラルな香りがあり、一般の方がイメージする『バラ』の香りのようです。甘く濃厚でうっとりする香りです。香りが強いので1滴でよく香ります。
【研究データ】
男女18名にローズ精油に含まれる”フェニルエチルアルコール”という成分を使用して、香り刺激が記憶の固定に影響を与えるかどうか調べた。睡眠時に香りを与えた場合、与えなかった場合と比べて、前日に学習した内容を記憶していた割合が高いという結果が得られた。
AEAJアロマテラピー検定公式テキスト P124より
ローズの精油には 『ローズアブソリュート精油』と『ローズオットー精油』とあります。バラの種類の違いもありますが最大の違いは抽出法です。『ローズアブソリュート精油』は揮発性有機溶剤抽出法で『ローズオットー精油』は水蒸気蒸留法です。
【揮発性有機溶剤抽出法】は花びらなどの繊細な香りを抽出するために、有機溶剤に花びらを漬けて溶剤に香りを溶かしだす感じです。その後、溶剤と香り成分を分離させますが、この時に100%溶剤を取り去ることができないので、精油中に溶剤が残留する結果になります。(もちろん色々な検査をパスするので微量であることに違いないです)どちらが良い・悪いではなく、その事実を知ったうえで、どのように使うかが大切ではないかな・・・と思います。だって いい香りですもんね!
抽出法が違うという事は【香り】も違います、そして【成分構成】も変わってきます。『ローズアブソリュート精油』には、上記の研究データに使用されている【フェニルエチルアルコール】が多く含まれ、『ローズオットー精油』には【シトロネロール】が多く含まれます。芳香族アルコール類である【フェニルエチルアルコール】はセロトニンとエンドルフィンの放出を助けるので、楽しく生活できるようになるようです。(参考:アロマ療法大全より) モノテルペンアルコール類である【シトロネロール】は強壮剤になる=生体が環境条件の変化に適用するのを助ける作用をもつとされています(Wagner u Wiesenauer 2003) このようなことから、『ローズアブソリュート精油』は精神面に、『ローズオットー精油』は身体面にと言われるのかもしれないですね。
5月も終わり 春バラも終わりです。秋にうまく咲かせられるか、夏の庭仕事にかかっています! 暑さと紫外線に負けずに頑張るぞお‼