商業的エッセンスを治療に用いる失敗の理由
精油の複雑性と違いは、その起源や蒸留過程やその他多くの原因により起こるため、専門家は入念に使用する物質を精査するべきである。同一の治療効果を確実にするためには、注意深く主な定数を確認しなくてはならない。
商業的に未加工の精油には、共通の短所がある。薬局方の分析さえも不適切である。医療的な適用が増えるに従い、化学的・物理的な指標の最低数値と最高数値が確立されるべきだ。
使用される精油の中に、色々な値でテルペン類が含まれることが、多くの失敗を生み出す原因なのである。テルペンの特性が著しく、想像以上に、肯定的な結果への道を阻むことを私達は観察してきたからだ。
テルペンレスエッセンスは未加工のエッセンスより、数十倍アルコールに溶解する。大きな長所としてフォルグ医師によると、硫酸を飲んだために胃潰瘍になった場合に緩解させる。
ビタミンとエッセンス
フンクとG.ホプキンズは、動物の消化器官からごく少量吸収される物質が生物の発達と生命の維持に欠かせないと発表した。ビタミン類である。
ビタミンAは化学的に組成式C20H30の飽和アルコールである。ビタミンAに付随するカロチンは体内でビタミンAに変わる。分子式はC40H56である。長いイソプロパン鎖でつながれた2つのゲラニアール環を含み、β-イオノンに似ている(『Parfums de France』Y.R.N.,1932年4月)。
トマトに見つかったリコピンは、脂肪族炭化水素のように見える(カール&バックマン)。
皮膚は容易にビタミンDを吸収する。文字通り皮膚の「若返り」を可能にする。この物質は化粧品分野において重要性が増すだろう。ビタミンDは9.04㎎の投与で毒性を持つようになる。
希釈度を高めたラベンダー精油の研究で、精油もビタミンのように少量で作用を示す(ササール医師)。
ビタミンとある種の芳香成分の関係は、芳香成分の興味深い作用を説明することになる。特に組織を活性化し、新しい細胞の増殖を十分に回復させる芳香成分の可能性、傷跡を目立たせず火傷を癒す力を説明することになるのでは・・・と思う。
私達は芳香物質の殺菌効果にばかり注意を向けるのではなく、ビタミンにも似た働きの特性にも注目すべきである。
ビトロ試験で培養された細菌では効果を現すこともないほどに希釈された精油でも、生体に対しては明確・迅速に役立つ活性を備えている。
『アロマテラピー』ルネ・モーリス・ガットフォセ(フレグランスジャーナル社)より
自然の植物から抽出する『精油』を一定にすることが難しいことを物語っていますね
日本では『精油』を治療に用いることはないのです
いわゆる『ホリスティックアロマテラピー』では精油は加工せずに使用することが大前提です
なのでテルペン類も含まれます
ただテルペン類が酸化しやすいことは事実ですので
保管方法や使用期間を注意しなければならない理由はここにもありますね
そして最後に出てくる『ビタミンにも似た働きにも注目すべきである。』
アロマテラピーを実践している方ならこの働きは経験として知っていると思われます
数値としてエビデンスは難しくても、使用している本人がよくわかっている
それでいいのでは・・・と今の私は思います
次からやっと【5章】アロマラピー 実際のレシピが出てきます!