アロマテラピーを勉強している方なら知らない人はいない
ルネ・モーリス・ガットフォセ
そして同時に学ぶ『アロマテラピー』という書籍名
その『AROMATERAPIE Les Huiles essentielles hormones vegetales』(1937年)
の英訳増補版『GATTEFOSSE’S AROMATHERAPY, The first book on Aromatherapy Translated from the French Edited by Robert B.Tisserand』(1993年)
を和訳した『ガットフォセのアロマテラピー』(2006年 前田久仁子:訳 フレグランスジャーナル社)をご紹介していきます
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ルネ・モーリス・ガットフォセ(1881年~1950年)の経歴
ルネ・モーリス・ガットフォセは学生時代の終盤から、化学・写真の器具、空気タイヤ、新しいゴム素材、リアクション・モーター、アセチレンの適用など、発明に対して興味を示していたそうです。父親のルイ・ガットフォセは彼の優れた想像力は香料業界に大いに役立つと考えて化学者の道を勧めます。父親のルイ・ガットフォセは長男のアベルと会社経営をしていました。1894年(リオンの国際博覧会)以降、異国の精油の輸入と合成香料の輸出を事業に加えはじめた頃だったので、ルネ・モーリス・ガットフォセに期待していたのでしょうね。
当時 合成香料や天然精油の混合物、アルコールエキス、アンフルラージュ軟膏、合成物質はいわゆる「まだまだ」の状況。濃度も定義も一定の基準のない状況で販売されていたらしいです。
そこでルイ&アベル&ルネのガットフォセ親子は協力し合い、一定の濃度と香りの組成は、どのような条件下なら可能であるのかを日々研究したのです。その努力の結果、現在調合されるものと同様の純度100%の香料化合物の制作に成功するのです。
この香料化合物の使い方を調香師に指導する必要があったため、ルネ・モーリス・ガットフォセ最初の『formulaire de parfumerie』(1906年)が発行されます。
1906年から1912年にかけて、調合の新製法が急発展し、フランスの香水が現在のように製造されるようになったということです。
1908年 フランス南西部の農業商業連合協会のド・フォンガラン会長がルネ・モーリス・ガットフォセにラベンダー栽培者達の苦しい現状を伝え、『La Parfumerie Moderne』キャンペーンによってラベンダー・エッセンスの価値を高め、合理的な蒸留と栽培の推進に繋がっていきます。数年のうちにフランスで恵まれない地域に繁栄をもたらしラベンダー産業は発展を遂げます。その後もフランスのミント栽培地の復興やクラリセージの栽培を導入し初めて蒸留をしました。
それからエキゾチックな精油を系統立てて研究することに着手し、奥地でも使える蒸留器を定義し説明をおこない、フランス植民地でこの産業が開始され発展していきます。
1914年から1918年の戦争(第一次世界大戦)前後で父ルイ・ガットフォセ、アベル・ガットフォセを失くす。しかし植物学者及び化学者の弟ジャン・ガットフォセをモロッコに送り、新しい植物をカタログ化、保護国に蒸留産業の繁栄を計画します。この時期の仕事を『Parfumerie Moderne』として出版しています。
大衆薬として農民や土地の人々が精油を用いてきたことにルネ・モーリス・ガットフォセは強く興味を惹かれていきます。その原因究明と効果の立証に努力を重ねます。実験室での爆発事故後、ルネ・モーリス・ガットフォセ自身が精油を試す機会を得て、その後精油の研究に時間を捧げるようになっていくのです。
ミュリッス医師、マスシャン医師、フォルグ医師、ヴリュ医師、タミジエ医師など多数の医師と研究や実証実験をおこない研究発表しています。
1937年ルネ・モーリス・ガットフォセの大きな2つの研究である『Aromatherapie』と『Antiseptiques essentielles』が発刊され、これ以降おおきな影響を及ぼすことになります。
その後もルネ・モーリス・ガットフォセの研究は続き、皮膚病学に芳香物質を適用する研究にも着手し、無害で治療的な美容品の技術発展に貢献しています。
ルネ・モーリス・ガットフォセは独創性にあふれる33冊の著作を世に送り出し、ファミリービジネスもこなし、様々な役職にも就いています。ルネ・モーリス・ガットフォセは『現代的知識をいかに技術と新しい生活様式に適用するか』ということを周囲の人々と議論を交わし、新風を吹き込んだ人なのです。
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ルネ・モーリス・ガットフォセはフランス人化学者で『Aromatherapie』を著した人、化学実験中に爆発事故を起こし、その後火傷の治療に自らラベンダー精油を使用し、治癒の早さに驚き研究を推し進めた・・・くらいの知識でした。購入してからパラパラめくって当時の私には難しくそのまま本棚に並べていたこの本を再度読み返してなるべくわかりやすくお伝えしていこうかな~と思っています。簡単にと言っても1回では無理があるので、分量と内容によって区切ってお届けします。
次回は『著者まえがき』の予定です。