テルペンレス・エッセンスの分類
テルペンが除去されたエッセンスを考察すると、シャラボーとデュポンによる初期の分類による不便さがなくなる。彼らの例でいくと、テルペンレス(脱テルペン)のベルガモットエッセンスは主にリナリルアセテート(酢酸リナリル)で構成され、よく似た組成を持つテルペンレスのラベンダーと並ぶ位置づけになる。テルペンレスだと、レモンとレモングラスのエッセンスはシトラールを主要成分とすることになる。クローブエッセンスはカリオフィレン(テルペン類)を含まないと、ほとんど純粋なオイゲノールであり、テルペンレスのタイムはチモールとカルバクロール(フェノール類)が独占する。テルペンレスのミントはメントールを含み、メントン(ケトン類)を含まない。シャラボーとデュポンの初期分類はこちらから
この新たな分類では、似た働きを持ち、相互に交換することが可能な物質が共にグループ化される。さらに、テルペンが除去されると、抽出や圧搾によって得られるエッセンス(精油)中に見られる、前出の不揮発性不純物を取り除くことになる。前出の不揮発性不純物についてはこちらから
≪テルペンレス・エッセンスの分類≫は以下の通り
- 第一分類:主成分にテルペンアルコール類とエーテル類を含むエッセンス
- 第二分類:アルデヒド類
- 第三分類:ケトン類
- 第四分類:ラクトン類
- 第五分類:フェノール類
- 第七分類:オキシド類(オキシドエーテル類)
- 第八分類:テルペン類
第八分類(テルペン類)には天然の精油を含めない。テレビンを例外として、純粋にテルペンのみを含む精油はなく、むしろ上記の精油から全てのテルペンが抽出されるからだ。ライム・キャラウェイ・オレンジのエッセンスでは、量的な主要成分はテルペンである。
この分類に対する取り組みは天然化合物の分類ではなく、分離された成分によるものである。
『アロマテラピー』ルネ・モーリス・ガットフォセ(フレグランスジャーナル社)より(一部内容を書き換えています)
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アロマテラピーを勉強している私達は、テルペンレス・エッセンス自体に馴染みがないですね
『抽出されたもの全体を使う』=天然精油を使用するものがアロマテラピーと学んでいる私達には「?」がありますが、当時のガットフォセはテルペンレスにこだわっているようです
もちろん理由はガットフォセなりにあるわけです
色々な事象はその人が何を目的としているかによって見え方が変わってくるものですよね~面白いです