からだの豆知識|抗体

抗体は免疫系における歩兵である。抗体タンパク質は、抗原とよばれる外からの侵入者をしっかりとつかむ。抗原は、病気を引き起こす微生物や毒物の表面または内部に存在する物質である。抗体はその障害物質(抗原)に付着して、白血球が抗原を除去するのを助ける。

Bリンパ球(B細胞)とよばれる白血球は、抗原と遭遇すると何百万個もの抗体を血中に放出する。溶解とよばれる作用では、抗体は微生物に結合し、破裂させることによって破壊する。抗体が他の細胞に合図を送って抗原を破壊させる、貪食とよばれる作用もある。抗体は、1週間以上にわたって血液の中を循環するが、数か月から数年に渡ってからだの中に留まる抗体もある。

それぞれの抗体分子は2つの部分から構成されている。先端は特異的な抗原に付着することができる特別な形態になっている。ちょうど鍵穴に差し込む鍵のように、この部分は、エピトープとよばれる抗原表面部分に付着する。抗体分子の柄の部分は、5つあるタイプのいずれかの構造をしている。このタイプによって抗体は免疫グロブリンM・G・A・E・Dのタイプに分類される。そのタイプによって、抗体の、役割や体内での分布場所が決まる。

IgM(免疫グロブリンM)は、最初に抗原に反応する抗体であり、血液の中で循環する。2度目に抗原にさらされると、最も多く存在しているIgGが放出される。

IgG抗体はIgM抗体に比べて小さくて動きが早いので、血流の外に出て組織の中に入ることが出来る。

IgA抗体は、粘膜中のB細胞によってつくられ、涙や唾液など、身体がつくる分泌物の中に多くみられる。

IgE抗体は、アレルギー反応の引き金になったり、ある種の寄生虫と戦ったりする。

IgD抗体は、最も少ない抗体であり、まだ解明されていない事が多い。

★ ★ ★

*抗体に関する研究は1890年に始まった。ジフテリアに感染した動物の血液を健常な動物に移入すると、輸血を受けた健常な動物がジフテリアに対する免疫を獲得することを発見した。

『からだの教養365』文響社より(一部内容を書き換えています)

2021年は新型コロナウィルス感染症に対するワクチン接種がはじまりました

ワクチン接種はこの抗体の仕組みを使っているのですね

人間はワクチンを作り

ウィルスは変異を繰り返す

生物って凄いですね!

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