現代薬局方のエッセンス
現代の薬局方では揮発性エッセンスの使用に関して、さほど進歩が見られないようである。フランス薬局方『Codex』の情報も前世紀の内容を多かれ少なかれ模している。薬用物質の研究としては、さらに十分な文書が望まれる。
下記はジュネーブ大学のルッター博士『Traite』に記載されているエッセンスに関する事項の要約である。
エッセンス 作用 ベルガモット 胃の強壮作用 カユプテ 抗痙攣作用・健胃作用・発汗作用・外用で抗リウマチ作用 ユーカリ 去痰作用・健胃作用・止血作用 日本産カンファー 抗痙攣作用・心臓刺激作用・防腐作用・歯痛緩和作用 ラベンダー 南フランスで駆虫剤として花が処方されるが現代医学的でない ミント 駆風作用・下痢への作用・疝痛への作用 ネロリ 治療目的で使用はされないがネロリの芳香蒸留水は子どもへの催眠作用がある ローズマリー 民間薬として葉が駆風作用 いくつかの成分評価は高い
成分 作用 メントール 優れた消毒と鎮痛作用。低い投与量で神経系の抑制。高い投与量で随意運動の麻痺を起こす。胃の強壮作用。防腐作用。外用では抗神経痛作用。吸入では消毒作用と抗うっ滞作用。 チモール 内用の殺菌作用、特に肋膜炎への作用。外用では消毒作用。 ルッター博士の研究を賞賛するにしても、精油に関する情報が驚くほどに欠乏している。
私達が反論したいのは精油に関する無知な背景であり、その知識の欠落が永続することを許容せずに、水準をあげなくてはならない。
化学的に、精油は非常に興味深い物質だ。純粋な成分の方が時には好まれるであろうが、精油類の生理学的作用は非常に重要であり、それらの効力はしばしば注目されるところだ。
『アロマテラピー』ルネ・モーリス・ガットフォセ(フレグランスジャーナル社)より
疑問をもつこと、それを解明していこうとする行動力
ここまで読み進めて『もっと精油を研究しようよ!』というガットフォセのエネルギーを感じます
ガットフォセがこの本を書いてから85年
ガットフォセが思い描いていた結果になっているのでしょうか?